全250色の日本の伝統色カラーパレット

芝翫茶

SHIKANCHA

#B55D4C

R: 181

G: 93

B: 76

C: 0%

M: 49%

Y: 58%

K: 29%

H: 10

S: 42%

L: 50%

H: 10

S: 58%

V: 71%

L: 50

a: 34

b: 26

X: 24

Y: 18

Z: 9

芝翫茶(しかんちゃ)は、ややくすんだ渋い赤茶色で、江戸後期に大阪の花形役者、三代目“中村歌右衛門”が好んだ色として当時大流行しました。色名は彼の俳名「芝翫(しかん)」から取られ、「芝翫好みの茶」の意味です。後に「中村芝翫」として歌舞伎の名跡のひとつとなっています。芝翫は小柄で平凡な容姿ながら、幅広い芸風を持ち「歌舞伎通好み」と称されました。芝翫茶も女性の小袖にはあまり用いられず、通好みの色とされていました。江戸時代の染色技法の指南書『手鑑模様節用』では、「芝翫茶」は『栗梅(くりうめ)』と『遠州茶(えんしゅうちゃ)』の中間色として紹介され、刈安と棗の実を使い、灰汁媒染(あくばいせん)で染められました。江戸時代の歌舞伎役者の人気は絶大で、彼らが使った衣装や色はすぐに流行しました。近世風俗志『守貞漫稿』には、文化・文政・天保(1804~1843)の頃、歌舞伎役者にちなんだ「役者色」が流行し、江戸では『路考茶』や『梅幸茶』、京阪では『芝翫茶』や『璃寛茶』が人気を博したと記されています。芝翫茶は化粧品や食べ物にまで影響を及ぼし、「四鐶縞(しかんじま)」と呼ばれる柄も、芝翫が好んだことから名付けられました。芝翫は一人の役者として、当時の文化に多大な影響を与えました。

※ 文章校正の一部にAIを使用しています

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