全250色の日本の伝統色カラーパレット
深川鼠
FUKAGAWANEZUMI
#77969A
R: 119
G: 150
B: 154
C: 23%
M: 3%
Y: 0%
K: 40%
H: 187
S: 15%
L: 54%
H: 187
S: 23%
V: 60%
L: 60
a: -10
b: -6
X: 24
Y: 28
Z: 35
深川鼠(ふかがわねずみ)は、薄い青緑みの灰色で、藍の薄染めによる緑がかった青である「浅葱色(あさぎいろ)」をさらに抑えた色調です。江戸時代後期に流行し、色名は江戸「深川」のいなせな若衆や、渋さを好んだ芸妓たちが好んで使ったことに由来します。江戸天明期を代表する狂歌師、大田南畝は『手鑑模様節用』の中で「みなと鼠」を「深川鼠」と呼び、当時流行していたことを記しています。「湊鼠(みなとねずみ)」も同じ色で、大阪の「湊村」に由来する地名から名付けられました。明暦の大火(1657年)以降、深川には富岡八幡宮を中心に庶民的な遊興街が形成され、木場があり木材商の人足が集まる活気ある場所となりました。この土地で、意気と侠気を売り物にした辰巳芸者(たつみげいしゃ)が活躍し、江戸の文化の中心地ともされていました。そんな粋な深川で好まれた深川鼠は、次第に江戸庶民の間でも流行しました。江戸では幕府の奢侈禁止令によって派手な色が禁止されることが多く、庶民たちは茶色や鼠色を「粋な色」として重んじ、流行させました。これが「四十八茶百鼠」と呼ばれる、多様な茶系・鼠系の色名の背景となっています。
※ 文章校正の一部にAIを使用しています