全250色の日本の伝統色カラーパレット
燕脂
ENJI
#9F353A
R: 159
G: 53
B: 58
C: 0%
M: 67%
Y: 64%
K: 38%
H: 357
S: 50%
L: 42%
H: 357
S: 67%
V: 62%
L: 38
a: 44
b: 21
X: 16
Y: 10
Z: 5
燕脂/臙脂色(えんじいろ)は、黒みを帯びた深く艶やかな紅色を指します。この色は、古代中国から伝わった化粧紅の顔料「臙脂」に由来していますが、一般的に『臙脂色』として広く使われるようになったのは、化学染料が普及した明治中期頃からです。古代中国では、辰砂(しんしゃ)から作られる顔料『朱(しゅ)』にヤギの脂を混ぜて化粧紅を作っていたため、「脂」という字が化粧紅を意味するようになりました。また、燕(えん)の国の紅が優れていたことから「燕脂(えんじ)」と呼ばれ、後に『臙脂』と変化しました。別の説では、中国の紅花の産地「燕支山(えんじざん)」に由来するともいわれます。日本では、奈良時代の『正倉院文書』や平安時代の辞書『和名類聚抄』に『烟子』『燕支』などの表記が見られますが、いずれも顔料の名称であり色名ではありません。臙脂には、紅花から採れる植物性の『正臙脂』と、臙脂虫(ラックカイガラ虫やコチニールの雌虫)から採れる動物性の『生臙脂』があり、いずれも深紅に似た濃い紅色ですが、『生臙脂』のほうがわずかに紫みを帯びます。現在でも臙脂虫から採集された天然の色素は友禅や紅型の染料として用いられ、コチニールは食品の天然着色料としても有名です。臙脂色は、早稲田大学のスクールカラーとしても広く知られる伝統的な色名です。
※ 文章校正の一部にAIを使用しています